【山梨】富士山

2016年7月14日~15日に富士山に行ってきました。

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【富士山】

言わずと知れた日本の最高峰。年間20万人から30万人が7月から9月にかけて登ります。2013年に世界遺産に登録されてからは、外国人観光客も多数登ります。技術的には難しくない登山と言われますが、高山病には注意が必要です。

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【コース】

新宿バス発(07:30)→富士スバルライン5合目(10:25)→5合目発(12:00)→6合目(13:00)→7合目トモエ館(14:50)→8合目白雲荘(17:54)→本8合目トモエ館(19:00)→山小屋泊→トモエ館発(02:15)→山頂(04:45)→本8合目トモエ館(06:00)→富士スバルライン5合目(10:00)→5合目バス発(11:45)→野天風呂天水(12:30)→天水発(13:45)→新宿(16:00過ぎ)

 

06:45  新宿センタービルの東側、東京モード学園の向かいが集合場所です。

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自宅近くのセブンイレブンで、おにぎり4個、栄養ゼリー2個、バナナ3本、栄養食、塩キャラメルを買いました。なお、スポーツドリンクの粉末1袋を持参、1リットルの水筒にはスポーツドリンクを入れてきました。

 
実際には、バナナは不要でした。皮が生ゴミになって臭くなりました。ゴミは持ち帰らねばなりません。
保温性のある普通の水筒も重くて不適切でした。登山用のプラスチック製の1リットル水筒がよかったです。

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ウィラートラベルツアーの添乗員さんが、参加者の受け付けをしています。
左側のピンクのベストを着た女性がNさんという添乗員さん。長崎出身で都内に住む美容師。10年前に富士山に登って山にとりつかれ、以来、北アルプス南アルプスをはじめいろんな山に登っているといいます。昨年スキーで右腕を骨折し、ハサミが持てなくなり、趣味と実益を兼ねて添乗員をやっているとのこと。ちなみに富士山の山開きは7/1ですが、今年は今日で2回目。おととい下山したと言ってました。富士山には通算10回くらい登った経験があるとか。
 
外国人の人たちも次々に集まってきます。
私たちのツアー参加者数は17名。添乗員さん1名。
平日だということもあり、このツアーの今日の人数は少ないようです。男性の1人参加が私含めて4人。夫婦でない中年男女ペア1組。夫婦と娘さん、女性2人組が3組。女性1人参加が2名。
外国人たちは別のバスに乗り込みました。
 
07:15  小雨が降ってきました。ただ傘をさすほどではありません。なお、折りたたみの軽い傘も持参しましたが、これも結果的には不要でした。雨が降ればレインウェアを着ればいいのですから。
 
自宅から長袖のアンダーウェアを着て、登山パンツの下にはサポーターを履いてきたのですが、さすがに暑いですね。あとで聞くと、5合目で着替えることができるといいます。5合目までは軽装でよかったです。
07:30  バスが新宿を発車しました。と、添乗員さんが自分の登山荷物をバスに乗せ忘れたことに気づき、スタート地点に引き返しました。さっきのところで荷物を運び入れ、仕切り直して再スタートをしました。
 
08:40  山梨県に入ったところ、上野原市で目をさますと、快晴になっていました。
08:45  談合坂サービスエリアでトイレ休憩。明るいです。期待が持てます。

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山小屋のトイレは有料制で1回200円いるとのことだったので両替をして100円玉をたくさん作りました。多めにみて2日間でトイレに10回行くとすると2,000円かかります。パーキングエリアで買ったスタバのコーヒーをバスに持ち込み、あとで美味しく飲んだのですが、到着した5合目にはゴミ箱がなく、ゴミの紙カップは持ち帰ることになりました。
5合目にはなるべくゴミになるようなものは持ち込まないほうがよかったです。
バス内では、次の書面を手渡され、ツアーの留意点の説明がありました。

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今回は文庫本を1冊、司馬遼太郎の「歴史を紀行する」を持参しました。しかし移動時間中は寝てばかり。読まずに持って帰りました。
09:30  河口湖インターの手前で、目の前に富士山が現れました。

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バスは高速道路の河口湖インターを降り、すぐのところにある「やまどうぐレンタル屋」に立ち寄りました。5名がレンタルしました。お金はかかるものの、はじめての登山で、以後、続けるかどうかわからない方は、レンタルするのが適しているでしょう。借りた方の装備は、新品と遜色ないものでした。...ただ、このお店は新宿に本店があり、ここは先月末にオープンしたばかり。2週間あまりしかたってませんので、新品だったのかもしれません。
09:45  レンタル屋発。富士スバルラインにバスは入り、スバルライン5合目に向かいます。

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こんな道が続きます。
 
木々の間から、ようやくこれから登る山が見えてきました。

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10:25  スバルライン5合目着  標高2,305m。
ここまでは何度か来たことがあります。しかし20年以上経っているので、ぼんやりとしか覚えていません。
標高が標高だけに、肌寒いです。

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これが「雲上閣」というお土産物屋・食堂・更衣場所・トイレ(1回100円)・コインロッカーです。持ってきた荷物が多かった場合やゴミは、このコインロッカーに預ける手もあります。

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周囲には「雲上閣」と似たような建て物が3つ建っています。上の写真の正面、木材が斜交いになっている建物が「五合目レストハウス」、その隣が「富士山みはらし」、バスに遮られていますが上に丸時計が見える建物が「こみたけ売店」。  

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観光客を乗せて歩く馬も待機しています。
上の写真の左側の建物は「県営五合目総合管理センター」。

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これから山に登る人たちや、単なる観光客がたくさんいます。見たところ、半数以上は外国人です。欧米人もいればアジア系もいます。
数名の登山ガイドさんたちも、これから引率するツアー客に関する情報交換をしています。
あとで聞くと、この時期、富士登山をする人の8割は外国人なのだそうです。

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5合目にある「小御嶽神社」です。鳥居の右が「こみたけ売店」、左が「富士山みはらし」。
「雲上閣」3階でみんなが着替えている間、登る気満々姿でスタンバって来ていた私は11:40の集合時刻まで暇だったので、あたりをウロウロしました。

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写っているのは、みんな外国人です。
登山の安全祈願は、これから使う小銭がもったいないので、やめにしました。

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神社の横の展望デッキから見る下界を左から順に撮りました。
上の写真の右奥が山中湖です。

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上の写真の左手には、見えないながら河口湖があります。
4つある登山ルートの中でも、登山者が多い吉田ルートは富士山の北東側を登るルートです。したがって、見える景色も山梨県の山中湖、河口湖などです。

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背後の富士です。

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集合場所から「雲上閣」を撮影。
到着からスタートまで1時間以上ある理由は、昼食をとるため、着替えるため、そして最重要なことは、高度に身体を慣らすため。高山病対策の一貫です。
11:40  集合場所に指定された記念碑の前で、登山ガイドさんから自己紹介と登山の留意点の説明、準備体操がありました。
 
ガイドさんは富士登山ガイド15年の超ベテラン。富士には500回登頂したとのことです。
高山病対策として、以下の注意がありました。
高山病は身体に入る酸素が少なくなることからくる頭痛、吐き気、動悸のこと。これから高度が上がるに従って空気中の酸素濃度が3分の2になります。そのため、
1、下山まで呼吸は意識して深呼吸をすること。通常の1.5倍の空気量を吸って、酸素濃度の低下を補う。
2、こまめに水分補給をすること。汗をかいて体内の水分が少なくなると、血流が悪くなり、酸素が身体中に運ばれなくなるから。
3、身体を冷やさないこと。冷えると血管が収縮して血流が悪くなるから。
4、余計なことを考えないこと。脳が最も酸素を使うから。
最後の項目は、心配無用です。
 
これらのことをしっかり聞いて、実践したつもりでしたが、あとで高山病に散々な目に遭わされることになるのです。

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12:00  さあ、出発です。向こうの「県営五合目総合管理センター」の入り口の前の受け付けで、富士山保全協力金1000円を支払いました。すると、木の札がもらえました。
1,000円の負担は任意なのですが、世界遺産の富士山の整備に使ってほしいものです。
 

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すぐに割れてしまいました。
さあ、スタートです。
私たちには、ヘルメットが支給され、みんなザックにぶら下げています。落石や万が一の噴火に備えるためです。

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まずは、大型の車も通れるほどの道が続きます。

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下界は、山中湖。
20分ほど歩くと、泉ケ滝に到着。昔は、水場はここが最後、これより上に水を確保できるところはなかったといいます。
今と異なり、5合目まで徒歩で来て、山頂までの道も整備されておらず、さらには水飲み場もない状況とは、想像を絶しますね。

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下が泉ケ滝。
ほとんど水は落ちていません。

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緩やかな坂が続きます。

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向こうに見える赤い八角形の屋根の建物が八角堂。

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13:00 泉ケ滝から25分ほど歩いたら6合目です。標高2,390m。5合目から85m登りました。

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ここで休憩です。

トイレに行っておきます。早め、早めのトイレが必要です。途中ししたくなってもするところがありません。登山道の周囲に木も草も生えていません。おまけに登山者はたくさんいます。視線を遮るものが一切ないのです。それでも人目につかない場所に行こうとすると、滑落するかもしれません。
 
ここには、安全管理センターがあり、人が常駐しています。

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たくさんの登山者がいます。
5合目をスタートして、1時間程度が経過しました。

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 上を見上げると、、、、
10分程度の休憩後、歩き始めます。
 
スタートから約2時間。14:00になりました。
下の写真のような道を歩きます。
歩くペースは極めてゆっくり。先頭の登山ガイドさんを抜かさないように、しんがりの添乗員さんに抜かれないように。
ゆっくり歩く理由は、高度に徐々に身体を慣らすためです。そして30〜40分ごとに休憩をはさみます。

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大型側壁沿いの広い道を6合目から約1時間歩き、見上げると、山肌にいくつもの山小屋がへばりついています。

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岩場になってきました。

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14:30  ガスが出てきて、視界不良になってきました。
ここで休憩です。
休憩場所は道の折り返し地点の少しスペースがある山側。
道沿いにはロープが張ってあります。これはただ道を示す目印です。これにつかまって体重を支えるのは危険、とのこと。

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上の写真、手前の左、タオルを頭に巻いている方が登山ガイドさん。
 
14:38  花小屋 の前を通過。
ここは7合目で、標高は2,700mです。
登山者がたくさんいるので、あらかじめ休憩する小屋は決めてあるようです。 

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そしてまた岩場。

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徐々に呼吸が荒くなり、動悸がして、少し歩いただけで疲れるようになりました。

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登山ガイドさんの真後ろを歩きながら、足元を見ると、プロの歩き方の違いがわかります。プロは1歩1歩、歩幅は短いながら着実に足を進め、身体はまるでぐらつきません。手でバランスを保つこともせず、岩に手もつきません。どこに足を置くと、重心をどう移動すれば良いかが頭に入っていると言います。

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14:50  7合目のトモエ館に到着しました。ここで休憩。

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中に入って、300円のクリームパンを食べ、200円のチャイを飲みました。厳しい環境も手伝って、とても美味しい。
 
身体がキツイ人は、登頂を断念してここに宿泊しても良い、との案内がありました。予定している山小屋は本8合目のトモエ館、同じ系列なので、ここだと追加料金はかからりません。別の山小屋だと宿泊料金が発生します。
ここにいても、晴れれば明日は美しいご来光が拝めるらしいですが、脱落者は1人もいません。

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15:05  7合目トモエ館発。

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私の足元です。
15:39  かなりガスってきました。

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15:43  と思ったら、一転、晴れてきました。上の方に鳥居が見えます。

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15:48 山小屋、鳥居荘の前です。標高は2,900m。5合目から600m登ってきました。

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ますますしんどくなります。休憩しても、歩きはじめたらすぐに呼吸が荒くなり、胸がドキドキします。
足腰にはきていないのですが、酸素不足にやられています。
 
16:00  東洋館に到着。
ここで少し休憩。

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また、岩場です。

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16:42  岩場がなくなりました。砂利道です。
向こうに見えるのが、亀岩です。亀が下を向いています。

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下界を目を転じると....

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17:54  8合目 白雲荘。また、ガスっています。ここは先ほど見えた鳥居の下です。あと40分ほどで本8合目の今日宿泊のトモエ館に到着します。

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18:12  8合目元祖室です。近くに鳥居があります。標高3,250m。

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元祖室を出て20分ほどで、本8合目トモエ館に到着しました。
少し前から雨が降り始め、途中でレインウェア身につけ、ザックカバーをかける指示がガイドさんからありましたが、その後雨が本降りとなりました。的確な指示でした。
19:15  下の写真は、トモエ館の2階。我々の寝る場所です。3畳ほどのスペースに4人が寝ます。寝返りは打てません。寝袋が用意されています。
うずくまっているのは、同じツアーに1人で参加した高校生。

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下の写真はトモエ館1階。
登山者がたくさん。写真奥の左手が入り口の引き戸で、そこから出入りします。
右手奥が厨房。その手前に2階に上がる階段があり、その手前には長テーブルが4つ置いてあります。
このテーブルで夕飯が出ました。ハンバーグカレー。熱いお茶が1杯サービス。
食欲はあまりありませんでしたが、食べないと元気が出ないと思い、無理して完食しました。あとでわかることですが、それがいけなかったようでした。

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夕食時に、ガイドさんから今後の予定の説明がありました。
01:45 に身支度を終えて、1階に集合。02:15 山頂を目指してスタート。
気分が悪ければ、山小屋に滞在してても構わない。山頂に到着後は添乗員さんと一緒にこの山小屋へ戻るか、ガイドさんとオプションのお鉢巡りを90分ほどかけて行い、その後にこの山小屋へ戻るかを選びます。
全員が山頂を目指す希望をしました。お鉢巡りは希望しない人もいました。私はしんどいながら、希望して料金500円を払いました。
 
20:00くらいにみんな寝ました。真冬の寒さなので、上は長袖アンダーウェア、半袖Tシャツ、ジャージ、ダウンベスト、長袖フリース。下はサポーター、登山パンツ。この服で寝袋に下半身だけ入りました。寒くありませんでした。
 
しかし、ジャージとダウンベストをまとめて、長袖ダウンだけがよかったです。
 
寝ようとしても、一向に眠れませんでした。あとで他の人に聞くと、一睡もしていない人が結構いました。
眠れない訳は高山病。頭痛、動悸。深呼吸をしているつもりでも、酸素が体内に入ってきません。
 
00:00過ぎに、身動きができない寝床から1階におり、トイレで用を済まそうと山小屋の引き戸を開けて外に出たところで、いきなり吐き気が襲ってきました。山小屋のスタッフが見つけて「胃の中のものを全部出したほうがいい。夕食は無理に食べないほうがよかった」といい、コップの水をくれました。さすがにこの水は無料でした。
 
とたんに元気になりました。頭痛と動悸はあるものの、気分はスッキリしました。外の冷気に当たると、ひんやりして気持ちがよくなりました。
 
結局一睡もせず01:45のスタンバイ時刻になりました。寝た時の服装にレインウェア上下を着て完全防寒。ネックウォーマーも纏いましたが、あとで考えると、マスクがよかったです。ネックウォーマーは、寒さと雨の中、吐く息がメガネを曇らせ、視界を悪くしました。
 
この山小屋に戻ってくるので、荷物は極力少なくしました。帽子はかぶらず支給されていたヘルメットにヘッドライト。手には軍手。この2つは必須ですね。
 
01:45  山頂を目指す登山者が起きて1階に降りてきます。また、この暗闇の中を下から次々と人が登ってきます。小屋の前から下を見るとヘッドライトだけが列をなしてこちらに向かってきます。そしてこの小屋に立ち寄る人はことごとく外国人。

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 02:15  8合目トモエ館発。

外の体感温度はたぶん0度以下。雨が降る。風が吹く。ここから頂上まで岩場が続く。頂上までは登山者が文字通り数珠繋ぎで登っている。雨とガス、自分の吐く息でメガネがくもって前がほとんど見えない。前に歩く人の足取りがヘッドライトに照らされてぼんやり見えるだけ。靴の紐がほどける。しかし後から人が迫ってくるので結び直していると渋滞する。高山病で頭痛がする。吐き気はおさまったものの動悸がして呼吸が荒い。
周囲は一切見えない。岩場が続く。20〜30分ごとに休憩を入れながら、山頂に到着する約2時間半の間が地獄でした。
途中でフリーで登っている外国人が無理矢理追い越していく。
 
04:30  ようやく頂上に着きました。ここは3,710mの地点です。
着いたところに、東京屋と言う山小屋がありました。

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雨は小雨になっています。辺りはガスで何も見えません。
ガイドさんの判断で、お鉢巡りは中止になりました。火口見学もできません。

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火口の対岸に剣ヶ峰3,776mの地点がありますが、お鉢巡り中止で行けません。
山頂の山小屋で時間を潰し、その後本8合目のトモエ館まで戻ることになりました。集合時間は05:20。
 
それまでの間、東京屋と頂上付近をウロウロ。雨は小雨に変わりました。
 
下の写真は、東京屋の中。
あったかいコーヒー、冷たいお茶を注文しました。値段はともに500円。
水は売り切れていました。

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みんな味噌汁やポタージュスープなど思い思いのものを頼み、身体を暖めます。
周囲の登山者は外国人ばかり。日本人は私たちと店員くらいです。

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東京屋では、お土産も販売しています。

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これが山頂に到着した証です。

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05:20  に全員が集合したところで、下山を開始しました。
下山ルートは、ブルドーザー道です。今や山頂まで資材をブルドーザーで運んでいるのです。
 
登山者が多く、登りと下りが同じルートだと停滞するでしょう。
山頂から本8合目まで、ブルドーザー道を歩くと、登りは2時間半かかった行程を約30〜40分しかかかりませんでした。
 
本8合目トモエ館に到着したのが06:00くらいでした。
07:00までに下山の荷造りをしてスタンバイ。雨はやや小降りになりました。
頭痛だけが残っていました。
トモエ館では鮭ご飯の朝食と熱いお茶が出ましたが、食欲がなく、下山中に吐き気を催すのが嫌で食べませんでした。お茶だけ飲みました。
他の人達は、しっかり食べていました。
 
他の人達に、高山病にかからなかったのか問うと、私と同じように酸素の薄さには参ったと言いました。
 
深夜から下山して新宿に戻るまでの写真がほとんどありません。
雨や高山病で調子が悪かったこと、雨で霞んで写真を撮る状況ではなかったことなどが理由ですが、撮る気にならなかったというのが本音かもしれません。
 
07:00  本8合目発
30分ほどガイドさんの引率で7合目まで降りました。7合目の分岐点で道を間違うとスタート地点まで戻れないからです。
 
7合目に到着した時点で、ここからの下山は自分のペースで歩きます。5合目の集合場所「雲上閣」を目指します。
 
07:30に7合目をスタートすると、早くて1.5時間、遅くても3時間で5合目に到着するはずだとのこと。
下山はすべてブルドーザー道。砂場のジグザグが続きます。
 
下の写真は道端の花。

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 獅子岩経由で6合目まで歩き、そこからは来た道を5合目まで戻りました。

標高が下がると、嘘のように高山病の症状が消えています。
 
私は10:00前に、「雲上閣」に到着しました。下山者チェックリストの自分の名前をチェックし、3階で着替えをし、向かいのレストランで富士山そばを780円で食べて、11:20の集合時刻に、スタートした場所、つまり記念碑の前に行きました。
 
あらためて全員集合し、ガイドさん、添乗員さんからの挨拶があったのち、11:45にバスに乗り込みました。
 
これこら向かうのは河口湖近くの温泉、野天風呂「天水」です。
昨日、6合目から見えた河口湖にかかる橋を渡ったすぐのところにありました。
12:30到着。13:45まで天水で温泉、ビール、枝豆。身体がほぐれました。
 
13:45「天水」発。
バスは途中で中央高速の石川パーキングに30分止まり、16:00過ぎに新宿に到着。17:00前に帰宅しました。
 
悪天候については時節柄やむをえないことでした。山歩きの事前トレーニングや日頃のランニングで体力にもある程度自信がありました。
何と言っても無念だったのは高山病による体調不良。こればかりは富士山登山本番でなければ経験できません。体調不良で2日目に楽しい気分になれなかったのが残念。
 
ただ.....当日21:30から10時間以上眠って翌朝目が覚めたら、また富士山に登りたくなりました。